松風
9月6日の松能会で松風を勤めさせて頂きます。
平成9年の檀の会の初演から15年になります。(ツレは4回勤めさせて頂いております。)
その時のツレは藤波重彦氏でした。今回は坂口貴信氏です。芸大を卒業後、御宗家の内弟子をされた若手有望なシテ方です。
この曲は世阿弥作の名曲で、熊野松風米の飯という言葉があるほど能の中でもとてもポピュラーでとても素晴らしい曲です。
松風、村雨姉妹と在原業平の兄行平との恋物語です。
ストーリーは省略させて頂きますが、松風村雨のせつないまでの姿が涙や感動をよびます。
前半は謡が中心で動きはあまりありませんが、汐汲車の水桶に汐を組む型など随所にうっとりする素敵な個所があります。
初演の時はかなり時間をかけて稽古して参りましたが、力みすぎて謡の深みのようなものが全く表現できませんでした。つづく