頼政
22日東京観世会で頼政を勤めます。
今年1月の卒都婆小町シテから9番めのシテです。通算で182番になりました。
今年最後のシテにふさわしい大曲です。
ワンコイン講座ではお話しさせていただきましたが、修羅物のなかでも難しい曲で、
朝長、実盛と合わせて三修羅と呼ばれております。
頼政は清盛のそばに仕えて、三位まで上り詰めた武将で、能の鵺にも登場する弓の名手であり、また歌人でもある、文武両道の才人でありました。
75歳すぎて、以仁王とともに打倒平家にのぞむ心理とはいったいどういうものだったのでしょうか。
実盛は60すぎですが、頼政は77、8の年齢ですので、老体ではありますが、武将の誇りをいかに出せるかがこの難しさだと思います。
埋もれ木の 花咲くこともなかりしに 身のなる果ては あわれなりけり
この辞世の句を謡う場面はとても素敵なところです。肩の力をぬいて勤めたいと思います。