田村
27日に深大寺薪能で田村を勤めさせていただきます。
初演は芸大に入学した昭和56年8月で、二回目は昭和60年1月芸大卒業演奏(卒業試験のようなもの)で後シテ(前シテは下平克宏氏)で今回で3回目になります。
京都の清水寺を建立した坂上田村麻呂がシテの修羅物です。勝修羅といわれる、修羅物のなかでも祝言性の高い曲で、若い能楽師が勤める上演回数の多い曲です。
今年に入りましてすでに二度地謡を勤めさせていただきました。
今回あえてこの曲を勤めたいと思いましたのは53歳(8月で54歳)になり、修羅物に必要な体のキレを若い時とは違ったもので出したいということで稽古しようという思いからでした。
60歳までの自分がどうあるべきかをいろいろ考えていかなければと稽古を積んでおります。今回の田村は私にとりましてとても大事だと思っております。
前シテの面は大山阿夫利神社蔵の慈童、後シテは松下弘美さん作の平太を使わせて頂こうと思います。当日が楽しみです。