玉鬘
明日は玉鬘の申し合わせです。
この曲は金春禅竹作の曲です。玉鬘は夕顔の上の娘で、源氏物語の中に登場します。二人とも美人が故に不遇な生涯をたどります。
源氏物語では、母の夕顔は六条の御息所の嫉妬により変死してしまい、彼女は九州の乳母のもとで育てられます。母よりも美しくなった玉鬘は土地の豪族に言い寄られ、乳母は彼女を船に乗せて九州を脱出し都に上ります。そこ後初瀬で夕顔の侍女右近に会い、光源氏の住む六条院に引き取られますが、そこでも求婚者が取り囲みます。母を愛した光源氏からも恋を打ち明けられてしまいます。何とも複雑ですよね。結局彼女は髭黒の右大将と結婚します。髭黒の妻は嫉妬のあまり灰入れ(今なら灰皿)を夫に投げつけ、娘と共に家を出てしまいます。玉鬘は自らの美貌のために、男の心を惑わしたことが、妄嫉(もうしゅう)の雲霧であり、自責の念から結ぼほれゆく思いに沈みます。
こうした背景がこの曲にあり、払えど払えど執心の長き闇路に彼女をおとしますが、僧のちからにより、心は真如の玉鬘になります。曲としてはあまり大作ではありませんが、能らしい演出だとおもいます。
今日はこれから大松氏の素人会に行きます。今日は妹が来てくれ、夕飯を作ってくれます。好物のエビフライの予定です。