檀の会の曲目について
来年1月25日の檀の会は父千冬の23回忌追善として催させていただきます。
崇俊は清経、私は安宅を舞わせていただき、その他御宗家に砧、師匠の武田先生に融の舞囃子を御手向け頂きます。
今回の曲につきまして、少し触れさせていただきます。
清経は平家の公達物の修羅物で、謡、舞ともにとても難しい曲です。ある程度のレベルに達しないと勤められないと思います。
挨拶文にも書かせていただきましたが、師匠の特別のお計らいで、未熟ながらこの度崇俊が勤めさせて頂きます。千冬も喜んでくれていると思います。
しっかり稽古を積んで臨んでほしいと思います。
ところで私はこの曲は平成6年5月と21年5月の深大寺薪能で2回勤めさせて頂いております。本舞台では勤めておりません。今度は是非能楽堂で勤めたいと思います。
ありがたいことにツレは10回以上勤めてさせて頂いております。
そのなかでも御宗家、関根祥六氏、大槻文蔵氏のツレを勤めさせて頂いたことは今でも忘れられないほどとても貴重な舞台でした。
師匠の清経のツレは何回かありますが、長野のオリンピック開催記念の薪能も忘れられません。
その他とても思い出に残っているのは湯西川のホテルでの舞台(シテは武田先生)で勤めさせて頂いたことです。御馳走を頂き、素敵な温泉に入ってお舞台を勤める、幸せだなあと思いました。
この曲はツレがとても重要です。重からず軽からず、微妙な謡が難しいです。昔御先代がシテ、御当代がツレのお舞台を拝見したとき、すごいと感動した覚えがございます。まるでその時代にタイムスリップしたような錯覚を感じました。
とくに御当代のツレは素敵でした。今でも頭に焼き付いています。
今度のツレは武田崇史氏です。先日の松能会の熊坂のシテとは違った難しさがあると思いますが、期待しております。つづく