おはようございます
今日は午後から姉ヶ崎に行きますが、午前中は何もなかったので、いろいろ仕事ができました。明日は錦木の申し合わせなので少し緊張しています。当日より申し合わせの方がいやですね。プレッシャーに弱いので。錦木の話は明日以降にさせていただきます。
今日は班女の話です。再会を誓い、扇を交換し合った吉田の少将と花子ですが、扇はただ風を起こすだけでなく神の霊を招き寄せる力もあるそうです。あふぎには逢うだけでなく、再会させる力があると思われていました。班女の名前は捨てられた女性を秋の扇とたとえられた故事によります。夏は使われるが秋には用が無くなり捨てられる。そんな意味でしょうか。だから花子は吉田の少将への想いを扇に託し大事にしていたのです。そこまで想われて吉田さんも幸せです。
能ではその純粋な花子を最後まで演じますが、果たしてそれだけなのかというところを描いたのが、三島由紀夫の近代能楽集です。扇のもつエネルギーが、一人の男への愛から普遍的な愛に変わっていく。なかなか面白いです。能の最後は再会を喜び、ハッピーエンドですが、そんなことも考えながら観ていただくと深みが増すと思います。なかなかの名曲です。面の表情に注目していただきたいとおもいます。