松風つづき
今回はあまり力まず肩の力を抜いて、どれだけ勤められるかだと思っております。
ご期待にそえるようにしっかり稽古して参ります。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
さてシテが汐汲みの型をした後、僧(ワキ)との問答で須磨の浦にある一本の松の事を尋ねると、二人は切々と行平の想いを謡い始めます。
やがて行平の装束を身にまとい、更に狂乱の態になります。
松に向かってあの松が行平だと駆け寄ると村雨が止めるところは、よく写真にも取り扱われるところです。
こなたはわすれずまつかぜのたちかえりこんおんのとずれ
こなたはわすれずまつという掛詞はなかなか印象的です。
その後の後半は舞中心になり、松を抱きかかえる型などリアルな演出です。
松木の松ですからこの辺はしっかりと演じたいと思っております。(笑)
やがて夜が明けると二人の姿は消えて松風ばかりが残るのでした。という終わり方は夢幻能の真骨頂ではないでしょうか。すべてに完成度の高い名曲だと思います。
尚今回の松能会より若手の能楽師の方に舞台のチャンスを作らせていただけたらと考え、1部2部形式で催させて頂きます。
ただお客様の入れ替えは困難なため、間に休憩を入れる形でさせていただくことに致しました。
桟敷の席の他に椅子の席(特別席)を用意させていただいております。ご不便をおかけするとは存じますが、時間を忘れてしまうぐらいの熱演で頑張る所存でございます。
何卒宜しくお願い申し上げます。